ゆかり見聞録

多趣味な低スペック人がゆかりの紋章を探し求めて描き続ける冒険記録

好きっていうのが馬鹿馬鹿しい

みなさん、「バーチャルYouTuber」は好きですか?

私は好きです。

 

 私の知人で、「身の回りでVの良さを言語化できている人を見たことがない、だから良さが伝わらない」といった内容の事を言っている方がいらっしゃいました。これはまさしくその通りだと思います。

 

 つたない文章ではありますが、良さが伝わればと思い、筆をとることにしました。ここからはあくまで「私が」何故バーチャルYouTuberが好きなのか、というお話です。

 

 まず、前提としてバーチャルYouTuberには業務形態によって大きく3つの種類があると考えています。これを以下のように分類します。

 

①.事務所所属のバーチャルYouTuber

②.個人バーチャルYouTuber

③.バーチャルYouTuberになったキャラクター

 

 内容には直接関係しないので、だいたいイメージできるよって方は点線部まで読み飛ばしてもらって構いません。

 

①は「にじさんじ」や「ホロライブ」などの「バーチャルYouTuberの事務所」に所属しているバーチャルYouTuberのことです。

オーディションで選ばれた方達なので、声優や元実況者、個人差こそあれなんらかの芸能活動に携わったことのある「一芸に秀でた」方が多く語りや歌などで一定以上の実力が期待されます。

事務所によっては「マネジメントのみの業務提携」といったパターンもあるそうです。

いずれの場合にせよ、事務所や事務所に所属する他のタレントのネームバリューがあるためデビュー当日でかなりの量の登録者がいたり、案件も舞い込みやすいのだと思います。

 

②は①のような事務所に所属せず個人で活動する方です。「個人」といってもピンキリで、なんらかのプロジェクトに所属する場合だと多くのスタッフがついていることもあるようです。

ここでは特に、一般人が事務所やプロジェクトに参加せず自分と家族や友人等の協力で活動する方のことを言いたいと思います。

②ではいずれの場合でもなんらかのネームバリューがあるわけではないため、大きくなるまで案件やコラボ企画はまずありません。

「スパチャ」の条件(簡単に言うとチャンネル登録者1000人以上、過去1年で4000時間以上の再生時間など)だって1年程度で満たせるのは奇跡に近いんじゃないかと思います。

 

③は既に存在するアニメのキャラクターや企業のマスコットキャラクターがバーチャルYouTuber化した場合です。一般企業や作品の名を背負って活動するため、大きくイメージを壊すことはできないのではないかと思います。

 

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 さて、バーチャルYouTuberの特徴といえば身も蓋もない言い方にはなりますがなんといっても「ガワを被って」活動している点だと考えます。

 ただ、これは個人的にはバーチャルYouTuberを追い続ける理由にはならなくって、男性キャラにしろ女性キャラにしろ「見た目の良い」キャラクターなんてアニメやゲームの世界に溢れています。

 特にソーシャルゲームが星の数ほど溢れたこの世の中ではバーチャルYouTuberのママ(キャラデザイナー)の絵だってゲーム内に探すことができたりもしますね。

 そうは言っても通常のYouTuberとの違いとして1番に「見た目」が挙げられるのも事実。

 

 多くのバーチャルYouTuberは、「見た目」だけではなく「キャラクター」にも「ガワを被って」デビューします。多くの場合それらは剥がれることになりますが、「委員長」や「会社員」だったり、「ウサギ」や「吸血鬼」だったり......となんらかの「設定」を持ってデビューすることが多いのです。

 バーチャルだから人間じゃなくても大丈夫だし、トンでもない動きだって可能になります。

 

 人間は一面性や二面性どころではなく、色々な面を持っているものです。真面目そうな人でもズボラな面があったり、そうは言いながらも几帳面な部分もあったり。

 世の中には星の数ほどアニメやゲーム、色々な作品が溢れていますがそのキャラクター達はいつもいつもいくつもの面を見られる訳ではありません。隠れているからこそ幾つもの「面」になっている訳であって、それはその人を常に見ていないと見えてきません。

 もちろんライターのシナリオの上手さも関わってきますが、実際「二面性まで見せられればTwitterでギャップ萌えが取り上げられる」、そんな気がしませんか?

 わざわざ三面、四面も見せる必要なんてなくって、キャラクターの数が増えるソーシャルゲームなんかではむしろ幾つもの面なんか描いていたらキャラクターがゴチャゴチャしちゃうんじゃないでしょうか。

 

 バーチャルYouTuberとは言っても中身は人間です。幾つもの面を持っています。そしてその面の上から「ガワを被って」いるのです。

 

 人間がデザインした「ガワ」は生身の人間より特徴的で、「ガワ」のキャラ性が表されています。

 一番外に「ガワ」があることで生身の人間としての「一番外側」も含めてどんな人間なのか、どんな面を持っているのか私達は気になります。「奥ゆかしい」というやつです。

 

 バーチャルYouTuberもこの世の中に星の数ほどいます。音楽やイラスト、物理演算や雑談、VR、アダルトVtuberというジャンルも存在します。配信プラットホームもYouTubeだけでなくニコニコやbilibili、FC2など実に様々です。

 「ガワ」がどんなものであれ、中身は人間なので、「その人にできること」しかできません。

 星の数ほどいるからこそ、「その人にはなにができるのか」が気になるのです。絵が描ける、モデリングができる、演技ができる、面白い話ができる。本当に色々な人がいるもんです。

 ここでは個人的に好きで、オススメ(観やすい)のバーチャルYouTuberを紹介します。別に興味ないよ、って方は点線部までどうぞ。

 

月ノ美兎

 魅力はなんといっても「面白い話ができる。」点です。独特な感性と人生経験を持っているので話が面白いです。最近のバーチャルYouTuberの活動形態として多い配信メインの活動ですが、苦手だったら切り抜きから入るのもアリだと思います。オススメは雑談配信です。

 

◯おめがシスターズ

 魅力は「高いVR技術」で特に、「モデリングができる」「リアルに進出できる」点に特徴があります。「VR CHAT」のようなVR世界から「くら寿司配信」「ガンダムカフェ配信」など幅広く活動しています。「2人組なこと」「技術があること」を生かして映像を用いた企画が面白いですね。

 特に「じゃんけんで勝ち続けると人はどうなるのか」というドッキリ企画は「相方の手の形をトラッキングして何を出そうともアバターが絶対に負ける手を出す」という「バーチャルだから」「技術があるから」こそできる企画で、彼女達の魅力が現れています。

 最近ではボードゲームの実況をしていますが、人間が直接写り込まないこと、映像技術があることで普通のYouTuberよりボードゲームの魅力が伝わりやすく感じますね。

 15分程度の短めの動画メインの投稿なので観やすいです。

 

甲賀流忍者ぽんぽこ

 魅力はなんといっても「なんでもできる」こと。動画を毎日投稿しているのでゲームに実写、なんでもござれ、色々なネタにチャレンジしています。毎日の動画には「最近ネットで流行っていること」が盛り込まれている場合が多く、「Twitterで見かけた」みたいな内容を実践しているものも見られます。テレビタレントどころかYouTuberすらあまり扱わない小ネタも実践、毎日投稿できるのは「フットワークの軽さ」が大きいと思います。

 

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 この3人は無数に存在するバーチャルYouTuberの中でもベテラン、中堅的な立ち位置で既に有名な方々です。3人だけでもタイプが違うのがわかります。

 バーチャルYouTuberには単純な数が多いだけでなく、「なにができるか」というタイプがそれぞれ違っていることもそれなりに多いです。そして「なにができるか」がどこに「刺さるか」というのもまたそれぞれです。

 私自身、「ゲーム実況」を観る際に重要視するのは「どんなゲームをするか」という点で、バーチャルYouTuberは私の好きな「アングラなフリーゲーム」をやらないので「ゲーム実況をするバーチャルYouTuber」はあまり観ません。

 

 バーチャルYouTuberの魅力はそれぞれで、私の観ない「ゲーム実況」にもバーチャルYouTuberとしての魅力はなにかあるのだと思いますが、もし「バーチャルYouTuberの魅力」を一般化するならそれは「奥ゆかしさ」だと思います。

 表面に「ガワ」があるからこそ、その裏側が気になる。即「ガワ」が剥がれる人は「ガワ」を上回るインパクトを持っています。設定を壊してもインパクトが無ければ個人的には面白くないので観なくなります。

 

 一般的には「にじさんじ」「ホロライブ」といった「ブランド」付きの「ハコ推し」、さらには「バーチャルYouTuber」という「ブランド」付きの「ハコ推し」がバーチャルYouTuberの隆盛の原因だと言われています(他の世界のオタクもそうですね)。

 実際そうだとは思いますが、全てのバーチャルYouTuberを「推せる」訳じゃあなくって、実際には「バーチャルYouTuber」というジャンルではなく「ゲーム実況」とか「雑談」といったジャンルで動画を観ている私のような人も多いとは思います。

 さらに、始まったばかりの「バーチャルYouTuber」ジャンルは「バーチャルYouTuber」というだけで新しい動画形式(MMDとも実写YouTuberとも異なる)だったため、その頃の『バーチャルYouTuber』ジャンルが好き、という人もいます。

 

 本当に魅力は様々なんです。それを本来はそれぞれが言語化しなきゃいけない。伝えたいって思ってる人はいっぱいいると思います。

 では何故それを人は伝えないのか。何故「とにかく見てくれ」で済ませてしまうのか。

 もし、それぞれ異なる魅力を持つジャンルで魅力を羅列したら「◯◯も追加で」「◯◯が入ってない、やり直し」「◯◯がない、エアプか?」みたいないわゆる「クソリプ」が送られてきますよね。面倒くさい。それだったら、と「好き」の一言で済ませてしまいたくなります。

 内容のない感想ばかりが溢れていると好きっていうのも馬鹿馬鹿しくなります。自分の意見を言いたかったはずなのにいつしか他人の意見を勝手に取り入れようとしちゃうんです。

 

 コンテンツというのはコンテンツそのものの面白さにその受け手(オタク)の興味が合わさることで成り立ちます。

 バーチャルYouTuberも、単純なその人の魅力だけでなく、それに興味を持てるかどうかが重要になるんです。自分が好きなものを好きと言えばいい。だけど「好き」ならなにが「好き」なのか考えておきたいなあと思います。別に布教しようとは思わない人も、言語化できない感情に振り回されるのは気持ち悪いですから。

 

 何気ない日常を撮った動画をエンターテイメントにできる人がいます。別にわざわざ話題にするようなことをすべらない話にする人がいます。それって不思議なことです。

 なんでそんなことができるのか。なにが好きなのか。なんで好きなのか。

 これからも「好き」とその「理由」を増やして生きていきたいなあと思います。「理由のない好き」なんて言うのも馬鹿馬鹿しくなってきますから。